• aliciamarie0

多業種における日系企業の、コロナ下での意識改革の試み

Updated: Feb 14


意識改革へのはじめの一歩

しかし、社内の意識改革、社員の経営参加、と一言で言っても、既に本が何百冊と出ているように、その会社によってたどる道筋は違いますし、一筋縄ではいかない複雑な計画が必要となります。お手伝いした会社のうちの2社は、とにかく意識を変えてもらうために経営陣からメッセージを出そう、と決め、経営陣が考える今後の組織の在り方、社員に持ってほしい仕事への新しい意識と行動規範をわかりやすいアニメーションのビデオにまとめました。アニメーションと言っても、キャラクターが出てくるものではなく、グラフィックやスマートアートなどのビジュアルでわかりやすくコンセプトを整理した3分ほどのアニメーションです。2社のうちの1社は、既に2つ目のアニメーションビデオを作り、過去1年半、ことあるごとに社員に視聴してもらう機会を作り、それが定着したとして次のアニメーションを制作しました。経営陣が考える組織の将来の姿を社員に何度も見せることで、社内での会話を増やし、同時に社員全体からの意見を吸い上げやすく、社内のコミュニケーションや構造を変化させる試みを走らせようという試みです。

もう一社は意識改革のための新しいスローガンを作り、それがどのような意味を持っているかをアニメーションビデオにしました。「失敗を恐れずに、もっと挑戦しよう」というメッセージを、その会社の成功事例と共に示し、年初のミーティングから社員に積極的に視聴してもらっています。時期を見て、このスローガンが定着し社内の言葉になってきたら、次の施策を行おう、という計画です。

チャンスをとらえるための意識改革

3社目はデジタルトランスフォーメーション(DX)という大きなチャンスを目の前にして、全社員のやる気を喚起し、システムエンジニアにありがちな受け身の文化を一気に変革させる、という本格的な意識改革に着手しました。トップがMITの教授ピーターセンゲの提唱する「学習する組織」に目を付け、選りすぐったチームに「学習する組織」をマスターさせ、そこから全社に広げるという戦略です。「学習する組織」はナイキ、インテル、世界銀行他、日本でもリクルートやJICAが取り入れており、「目的にむけて効果的に行動するために、継続的に学習して成長していく組織」を目指すコンセプト、手法、戦略になります。このような組織になれば、組織内の意識と能力を高め続けることで、どんな状況の変化に遭っても柔軟に対応し、成長を続けることができるわけです。微力ながら、このプロジェクトに弊社が関わらせていただき、チームをピークパフォーマンスで動かすための、ディシプリンやスキルをチーム全員が身に付けるための10か月にわたる研修やディスカッションを計画しています。

コロナ革命後を生き残るために

コロナが働く場における与えた影響は、18世紀から始まった数々の産業革命、例えばエネルギー革命、コンピューター革命などと並んで、ひょっとしたら後世においては革命と言われるほどの大きな変化を私たちに与えているのではないかと感じます。従業員の意識や、お客様の働き方や考え方、たくさんの新しいテクノロジーやアプリなど、ばらばらに作用するいろいろな変数が、パンドラの箱を開けたように一気に出現しました。それを受けて、業界や業態は「毎日」といった速さでどんどん変化しており、その変化はつかみどころがありません。こんな中で、自分たちはどの立ち位置で、何に焦点を当て、どんな将来を求めたらいいのか、今こそそれらの探求を深めないと、足元から砂が引くように事業が転落していくような危機感を経営者たちは持っているのです。そんな時に頼れるのは、ここまで一緒に仕事をしてきた従業員の仲間たち。前線で仕事をしてきてくれた彼らのアイデアや意見を、今こそドンドン取り入れて、新しい組織になっていこう、今こそ彼らの協力が必要、と経営者が従業員との新しい関係を求めている、ともいえると思います。これらは、近年顕著になってきた、経営陣と従業員の間のパワーシフトにも影響しているのかもしれません。


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